金曜の女

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 私は耐えきれずテレビを消した。  その時、ガチャリと鍵が開く音がした。孝志だった。  私は掴みかかるように孝志に近寄り、口を開いた。 「ねえ、ニュース見た? うちの会社の子、しかも私が仲良くしてた女の子が殺されたんだよ。犯人も捕まってないし、もう怖くて」  誰かと話をしたかった。恐怖を吐き出したかった。私はしゃべり続けた。 「きっとストーカーが犯人だと思う。事件の前日に、その子からストーカーにつけられて怖いって電話があったの。あ、だからその日はうちに泊めたんだけど」 「泊めた?」矢継ぎ早に話す私の顔を、孝志は覗き込んだ。「泊めただって?」その顔がさっと青ざめる。 「うん。殺されたのが昨日の午前中みたいだから、うちから帰ったあとすぐなんだ……」  私の心に、再び後悔の念が渦巻く。 「お前、顔色悪いぞ。なんか食ったか?」孝志は、無表情に私を見つめた。 「え? 夕食は食べてないけど」私も孝志を見つめた。
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