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「俺はそうやって束縛する由亜が怖くなった。だから、これで最後にしようと、一昨日の夜、妻とは別れるつもりはない、終わりにしようと伝えたんだ」
「一昨日って、由亜がうちに来た日だよ」
「六時くらいに仕事を抜けて、あいつの家で少しだけ会った」
「じゃ、じゃあ、うちに来る前に、由亜は孝志と会ってたってこと? ストーカーに追われてたっていうのは?」
「きっと、ここに来るために作った嘘だ」孝志は吐き捨てるように言った
そういえば、あの日の由亜は、なんだか不自然だった。ストーカーにつけられたあとだというのに、明るく吉田のことを話したり……。
「その死んだ雀だって、俺やお前が雀をかわいがってるのを知って、きっとあいつが殺したんだ」
「そんな……。だって、雀のことを話したのは、あの日が初めてで、しかも由亜が帰った朝にはなかったはず……」
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