4 巣食う鬼

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何だよ? 「………あ、うん。いや、あの、ヤスの星座教えて貰おうかなって」 灰色の目でじっと無言で見つめた後、再び手にかけた占いの玩具に硬貨を入れた。 星座?俺はいいよ、そんなの。 「良いじゃん。もうお金入れちゃったしせっかくだから」 なんで入れちゃうんだよ先に。…別にいいけど。さそり座。 ルイに伝えると「さそり座ね」と言いながら占い玩具の側面に描かれたさそり座のマークに合わせ、ハンドルを回す。 回って小さな紙がポロッとルイの手に落ち、紙を広げた。 「うんうん」 どうだった? 「最悪だって」 躊躇なしに即答で結果が帰ってきた。 「ここの占い機は中身が日によって変わるんだ。マスターが占師で。今日は最悪だって」 ペラッと紙を机の上に置かれる。 読めるか読めないかほどの小さい神の上に、漢字ばかりびっしりと詰まっている。 「ここ、結構当たるんだよね」 やめろ。たかが占いだろ。 「されど占い。ここの占いで最悪の結果が出て不幸な目にあった人三人知ってる。一人はサイファ、真上で下水管が破裂して汚物まみれになってた」 汚ねぇ。 「次はユーハン。うちの住宅の水商売カップルの喧嘩に巻き込まれて、上腕とあばら骨二本骨折」 何があった。 「そして最後が僕」 お前かよ。 「喧嘩してカレンに仲直りのハグしようとしたら、関節技と背負い投げ決められた」 弱っ。 「このように不幸は立て続けに起こりました。なんかあったら教えてね」 言わねーよ。なんで笑顔なんだよお前。 …不吉だ。たかが占いだろと信じちゃいないが…。 ____
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