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目が覚めるといつの間にか朝になっていた。
窓ガラスから冬の陽射しがいっぱいに差し込んで、
部屋の白い壁に反射して、天上の世界にいるみたい。
だいぶ寝坊してしまったのか、部屋は陽射しですっかり温められている。
コウさんの骨壺の箱はベットの上で、きちんとこちらを向いていた。
「コウさん、おはよう。」
いつものように声をかけてみた。
いっぱい泣いたのでかすれた声になった。
体を起こすと、お腹の底にちょっと力が湧いてきたのを感じた。
コウさんはここにはもういなくなってしまったけど
私の中にも、娘の中にも、友人たちの中にもちゃんとまだいるんだ。
布団を整えて、コウさんをその上に置いて目の高さににすると
もう一度はっきりと言ってみた。
「おはよう!コウさん。今日は良いお天気ね。」
『おはよう。今日はなにをしようかね。』
コウさんの楽し気な声が確かに返ってきた気がした。
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