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「いいね!」の魔力
僕は、平良ヒトシ。極めて平均的な高校に通う、極めて平均的な高校二年生。クラスに一人はいる、目立たず存在感の薄い生徒だ。
体型も顔立ちも平均的。女の子にも全くモテたことがない。得意科目もこれと言ってない。どれも平均くらいの成績だ。何かスポーツや芸術に秀でているわけでもないので、所属は帰宅部。だけど、そんな僕でもやっぱり気になっている女の子はいる。あくまで「気になっている」だけだ。その子のことを本当に好きなのかどうかも分からないし、ましてや付き合ってるわけでもない。もちろん付き合いたくない、というわけでは決してないのだが……
同じクラスの、瀬川ミクさん。割と目鼻立ちがはっきりしている、どっちかというと可愛いというより美人系の顔立ちだ。きれいなだけでなく成績も優秀で、地元の国立大学の理学部数学科を目指している。僕も数学は得意な方だが、彼女にはかなわない。才色兼備とは彼女のことだろう。
彼女はいつもスクールカースト上位の連中に囲まれて楽しそうだ。とても僕がお近づきになれる余地などありはしない。いや、別にお近づきになりたいと思っているわけでもないけど……
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