タツ兄《にい》のトラック

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タツ兄は、声が大きい。 うちの会社では、一人が宅配をしている間、相方は車で待つことになっている。 うららかな春の陽射しにうっとりしていると、突然、怒鳴り声が響いた。 「トラックに近寄るんじゃねえ。危ないだろ」 サイドミラーに目をやると、3、4歳の子が声に弾かれたようにトラックから離れるのが見えた。 男の子は、いちもくさんに近くにあった施設の門へ走る。 中からエプロンを着けた女性が飛び出してきて、子供を招きいれた。
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