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凛は今朝のことを思い出す。このところ毎日のように悪夢、それも殺される夢ばかりを見ている。 今朝も午前三時を少しすぎた頃に、息が吸えなくなって飛び起きた。焦って無理に息を大きく吸うのを繰り返すも、しばらくは和らがない。 右腕で前髪を押し上げて拭うと、ふぅと一息ついて、またベッドに倒れ込んだ。乗り移った汗が、つぅーと肌の上を滑り落ちる。 こんなのが毎日だ。いわゆる睡眠時無呼吸症候群かと疑い、寝ているところを撮影してみたが、いびきはかいていなかった。 だってすべては悪夢のせいだから。しょっちゅう同じような夢を見ては、夜中に飛び起きるのだ。こんなことが続いては、いくら寝ても眠った気がしない。
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