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「ね。なにも起きなかったでしょ。」
まゆちゃんはにっこりして、さぁ帰りましょうと振り返りました。私もつられるように振り返ったその時です。
「マッテ・・・」
女の子の小さな声が背後から聞こえました。
背後にはもちろん鏡しかありません。
「イッショニアソボ・・・」
私は怖くて振り向けませんでした。
まゆちゃんは、いきなり振り返りました。
「オトモダチ・・・」
小さい声がしたと思うとまゆちゃんを包み込むように無数の透明な手が伸びて鏡へ一気に引き込みました。
私は振り返ることもできず、まゆちゃんが横目で視線から消えた瞬間、気を失いました。
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