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「恥ずかしいねそれ。」
言わないでくださいよダンピールの姉御!
「ちっ。貴様等!撤退だ!暗殺者に戦闘は重い!」
「待って下さい!」
そう言って暗殺者達を引き留める。
「なんだ!貴様は我らの暗殺対象なのだぞ!」
「貴方達は僕が雇います。」
「…」
「うん?」
「すまない。呆れていた。報酬は銀貨何枚で誰を暗殺すればいいんだ?」
「呆れていたって…報酬は白銀貨を、6人だから…6枚程。」
暗殺者達はみんな揃って後ろへ向き、リーダー格が言った。
「よし、雇い主を暗殺してきます。」
「待て待て待て待て待て!そもそも雇い主は誰だよ!」
「確か…名前は覚えてないです。けれど、どこかの国の貴族の親子で、親はでっぷりしていて、子はスタイルが良く、顔の印象は欲深いような感じの人です。暗殺対象は、髪が長く、金と銀のオッドアイの男。あとその近くにいる女性も含めて、です。」
あいつかぁー!!あいつなのかぁ!またあいつなのか!くそ!あいつどれだけ僕を怒らせればいいんだぁ!
「ぐるるるる…!」
「まあまあ、おひふいへくだはいよ。」
耳元でそういう言葉が聞こえる。空気の動き方で確認すると、ダンピールの女の子が僕の首から血を吸っていた。若干くすぐったいが、我慢して聞く。
「なんでそんな僕の血を吸いたがるんですか?」
「ほりゃあ…」
「首から口を離してから話しなさい。」
「はい…」
残念そうに牙を離し、ダンピールの女の子は言う。
「私、ダンピールは血を吸わないと生きられないんですが、それともう一つ生きるのに必要な物があるんです。それが…」
ダンピールの女の子は、恥ずかしそうにモジモジしながら
「男の人の精気…なんです。」
マジすか!?というか…
「可愛いー!!!」
「ひゃいっ!?は、離れて下さい!とりあえず!一旦!一時的に!」
「…あぁ、ごめんごめん。」
いつのまにか抱きついていたようだ。
「あんた…奴隷に対して可愛いなんて思うって、おかしいわね。」
力の強い子がそう言ってくる。
「可愛いものは可愛いんですよ!そうそう。[楽魅]は私達みたいな子にも可愛いって言うからね。だけど…ちょっと変態…。酷い!みんな酷いですよ!」
「急に1人で会話…私達はこんな人に救われたの?」
「そうみたいだな。まあ諦めろ。奴隷は逃げたら最初に捕まえた人の奴隷になるってルールがあるからな。」
奴隷と暗殺者が会話してる。いやあ、力強い子が慣れてるようで良かった。
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