別れ

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私、松下ゆかり32歳独身、女。 今日は25歳から付き合っている彼とクリスマス前、久しぶりに待ち合わせをしていた。 時間を見ると既に5分遅刻だ。 けどまぁ連絡するのも面倒だしこのまま行こう。 付き合いたての頃ならちょっとでも遅れたら嫌われちゃうと思ったものだけど7年もたつとこうなるのかと自嘲気味に笑う。 結局10分遅れで待ち合わせ場所につく、すぐに彼を見つけ声をかける。 「お待たせ。」 彼は顔をあげ「久しぶり」と、優しく笑った。 立ち上がった彼と並んで歩きながら私は「久しぶり、なんか食べない?お腹すいた。」 と言った。 彼は綺麗なイルミネーションで飾られてる噴水の前で立ち止まると照れた様子で話があるといった。 え?もしかして7年目にしていよいよプロポーズ? 急に?なんかちょっとドキドキしてきた!! 私は緊張しながら彼の次の言葉を待った。 彼は両手をポケットに入れるともじもじしながら話しはじめる。 「オレ、結婚することになった♪」 …え?することになった?…え? キョトン顔で彼を見ると何故か照れながら嬉しそうに話し始める。 「いやぁうちの会社の受付の美人な子にダメもとで告白したらさ、まさかのOK♪結婚前提ならいいって言われて♪」 え?これなに?私なんで自分の彼氏から別の女性との結婚のなれそめ聞かされてるの? 呆然と彼を見つめる私に彼はニコニコと続ける。 「そしたらもう、トントン拍子に両家挨拶まで一気に進んで式の日どりまで決まって忙しくてさぁ♪結局今日までゆかりへの報告が遅れちゃったわけ!」 私は、「はぁ?(怒)」という怒りの気持ちはもちろん沸いたが、一瞬で零下まで彼への気持ちが冷めた。 そもそも、別れではなく報告?私はお前の身内か? なんだかこの状況に笑えてきた私は 「それはおめでとう、お幸せにね。」 そう言うと彼はデレッとした顔で私を見るとありがとうと照れてお礼をいってきた。 私はこのなんだか茶番って感じの状況と、綺麗なイルミネーションが可笑しくなり、更にお腹もすいたので 「じゃあ!」 と、その場に彼を残し歩き始めた。 「お前も幸せになれよ~♪」 その声に振り向くと彼はでれでれした顔で私にブイサインをしていた。 私は思わず声を出して笑ってしまい「おうよ!」 と、手をふった。 スタスタと歩きながら、7年…と考え吹き出してしまう。あんな頭のネジの緩んだ人と7年。 ながぁ!
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