怒りと好みがやって来た

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怒りと好みがやって来た

さぁ今日はいよいよあのジャンボ焼き鳥を食べに行く予定! 私、秋山あかねは前から行ってみたかったジャンボ焼き鳥の店へと急いでいた。 誰か誘おうかとも思ったけど、私はあまりお酒も飲めないし、食事メインで居酒屋に行きたい人だからお酒好きな人は誘いにくいんだよね~それになぜか回りは飲んべえと言えるほどの酒豪ばかり…。 って事で待ちに待ったジャンボ焼き鳥の日を1人で満喫するためにレッツゴー♪ ご機嫌で店までの道を進んでいると後ろから小走りで知らない男性が声をかけてきた。道にでも迷って困っているのかと笑顔で振り向くとまさかのナンパ。 あぁ…めんどくさ!私はよく美人とか言われるし、自分を磨いてもいるけど、それはメンズの為ではない。自分と女性の為! そう、私は男性に興味がなく子供の頃から好きになる人は全て女性だった。 かといって男性が嫌いとか、嫌な目にあったとかではない。友人に男性もいるし、職場でもうまくやっていた。ただ単に好きになるのは同性と言うだけなのだ。 だから最初は笑顔で断っていたのだが、がっちり腕を掴んできて放そうとしないナンパ男。私はさすがに頭にきて「やめてください!」と、はっきり拒絶した。それでも放さない男にどうしてくれよう!と、苛立っていると後ろから女性の声がした。 振り向くとめっちゃ好みの女性が! 長い髪がふんわりと風に遊ばれ、コートの前を開け、中に着ているオフィスカジュアルをそつなく着こなしキリッとした笑顔とヒールの似合うスレンダーボディー!その女性が小首をかしげてちょっと照れながら私に右手を差し出して告白してきた!! あり得ない!と、思いながらも気付いたらその手をとっていた。
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