12時55分

はじまりのひ

12時55分。
時間を刻む秒針を凝視する。
今日は晴天。
絶好の初、デート日和だ。
デート。
デートかぁ......。
......。
ああああああああああ！
緊張する！
彼女との初デートだが、同時に人生初なのだ。
僕は頭を掻きむしる。
普段あれだけ朝起きれないのに、今日は違った。
いや、寝てないのだから起きれて当然か。
どんな服を着てくるのだろう......。
制服しか見たことないからなぁ。
ジャージであっても見とれる自信あるわ。
いや、それよりも来た時どんな声をかける？
「おう！お疲れ！」
いや、何に対して。
「今日も君も美しいね」
誰だ！これは！
ああああああああああ！
刻々と時間は過ぎていく。

青春の1ページ。
取り乱す少年に同じくらい緊張した少女が震える声をかけるまで。
あと5秒。