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とは言っても、中学生がひとりでそんな場所をうろうろしていたら確実に浮いた存在になってしまうだろうから、行く先が決まったとき、僕はトイレで身をひそめていようと決めていたのに、単独行動禁止とは、どこまで僕を追い詰めれば気が済むのだろう……。
受験も終わって、何とか希望する高校への入学が決まった矢先だというのに、僕の試練はまだまだ終わりそうにない……。
落胆した僕の頭は勝手に、これまでのつらい経験を振り返り始めていた――
親友や友達などと呼べる存在とは無縁のまま15歳を迎えていた僕は、普段行動を共にするクラスメイトすらおらず、登下校はおろか、移動教室のときにも弁当を食べるときにも、文化祭のときにもいつも1人で過ごしていた。
体育でペアを組むときにはあぶれてしまうのが当たり前だった。
僕はいわばクラスの「余りモノ」というわけだ。
教室に自分の居場所がないような気がして、身も心も窮屈だった。
授業中はまだいいが、10分休憩や昼休みは地獄で、みんなにとっては自由時間であるはずの時間が、僕にとっては不自由な時間でしかない。
便所飯はかろうじてまだせずに済んでいるが、食べ終わったあとの時間が苦痛だったから、無意味に校内を徘徊したり、人気のない別棟の階段の踊り場で時間を潰すこともあった。
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