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 もちろん、グループ行動を取るときには輪を乱さないようにと、細心の注意を払ってきたつもりだったし、放課後の清掃や係活動など一度もさぼったこともなければ、さぼっている子に対して注意をしたり不快な態度を示したり、先生に言いつけたことだってないのだ。  それなのに、僕にはやっぱり友達ができない。  それどころか、年々自分に対する風当たりがきつくなっているようにさえ感じられてならない。  ――あれは小学1年の秋口のことだった。  隣席に座っていた相馬(そうま)くんの誕生日会があるとかで、数人のクラスメイトが盛り上がっていた。  僕もその中に入っていたのだが、結局、友達だと思っていた相馬くんの家にお呼ばれすることはなかった。  2年生のときには、「中島菌が移るから、私の席に座らないでよ!」と、鼻に突っ込んだ指を舐めるのが癖だった女子に罵られた。  3年生のグループ活動のとき、先生は「適当に3、4人の班を作って」と、僕にとっては不適当な要求をしてきた。  結局、どこの班からも声がかからなかった僕に、面倒臭そうな視線を向けた担任は、 「中島くんをどこかの班に入れてあげてくれないかな?」  と、まるで悪意など感じさせないような朗らかな声でクラスのみんなに呼びかけた。  その瞬間、クラス一同静まり返ったのが、いまだに僕の胸を痛めつけていた。  そして、4年にあがってすぐのことだった。     
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