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 次は体育の授業なので、着替えをしようとロッカーに行くと、昨日までは確かにそこに入っていたはずの体操着がなくなっていた。  仕方なく僕は3年生のときに同じクラスだった櫻井(さくらい)くんのところに行って体操着を貸して欲しいと頼んだ。  ところが、生憎櫻井くんのクラスは体育がない日だったのか、「今日、体操着持ってきてないんだ」と言われた。  他に頼める相手がいなかったから、僕はその日の体育をやむなく見学したのだが、帰り際、体育館の前をとおったとき、ふと中を見るとミニバスケットクラブの練習が始まっていて、その群れの中には、体操着を身に付けた櫻井くんの姿があった。  僕の体操着が見つかったのはその数ヶ月後のことで、そろそろ水泳の授業が始まるという時期だった。  季節をまたいで深緑色に染まっていたプールの水の中から、体操着の入った僕の巾着袋が見つかったという。  発見したのは水抜きをしようとプールに立ち入った学年主任の先生だったらしいが、湿った巾着袋を僕に差し出した担任はその事実をありのままに告げたきりで、涼しい顔をして僕の前から立ち去って行った。  さらに5年生のときのこと。  体育の授業で円陣バレーをする機会があったのだが、僕のところにボールがまわってくることは一度もなかった。     
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