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バスケットボールをしていて、チームが得点したときにでも、僕のところにハイタッチする手はなかった。
6年生の修学旅行の班決めのときに起こったあの出来事はかなり身に堪えた。
小学校の先生でも生徒のご機嫌取りに必死なのか、あのときも今回の卒業遠足と同じく、好きな者同士で班を組むことになったのだが、案の定、僕1人、余りモノになった。
「入れてもらってもいいかな?」
あのときの僕は、その言葉を唇の内側にとどめていた。
比較的声をかけやすそうな人を見つけてかけあったみるのだけど、たいていは断られるか、たとえその子が承諾してくれたとしても、一緒の班のメンバーが露骨に嫌な顔をすることがほとんどだったから、その頃の僕は自分からお願いにあがることをためらうようになっていたのだ。
なかなか引き取り先の見つからない僕がおどおどしていると、
「決まらないようなら、くじ引きにするからな!」
イライラしたような表情で声を張りあげる担任と一瞬目があったが、すぐにそらされた。
クラスメイトの視線が僕の体に突き刺さってきた。
くじ引きになったらお前のせいだからな!
誰もがそんなふうに僕を責めるような目をしていた。
そのうちに、ひそひそと話し声が立ち始めた。
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