コンテニュー

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 その晩、私は疲れていたにもかかわらず、ほとんど眠ることができなかった。  一時的な失恋ではなく、永遠にイコとは結ばれないことが確定してしまったのだ。殿下の命令は絶対であり、拒否などできるはずがない。おまけに、イコもまんざらではないように見えた。  私の片想いは唐突に、かつ完全に終わりを告げたのだった。  翌朝、イコは見送りに顔を出さなかった。私は涙をこらえているのを父に悟られないよう、うつむいて歩き続けなければならなかった。
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