コンテニュー

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 *  その次も、次の次に宿泊した際もイコはいた。その頃になると彼女の表情にも不安が見え隠れするようになっていた。あれは殿下の気まぐれで、もうすっかりお忘れになっていらっしゃるのではないか。イコの胸にはそんな疑念が渦巻いていたことだろう。  反対に、私はその状況に希望を見いだしていた。イコが悲しむのは心苦しいが、このまま殿下の使いが来なければ、やがて彼女も諦めることだろう。そうなれば私にもチャンスが巡ってくる。  私は自らの欲望のために、愛する人の不幸を願ったのだった。
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