第3章 新本家の双子

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≪ 新本家 夜6時半 ≫ 『ただいまー』 玄関の扉が開き、2人の青年が帰ってきた。宙と天だ。 夕飯を作っていた蓮音が出てくる。世那はまだ、風呂に入っているようだ。 「おかえりなさい。もうすぐ夕飯できます。」 「蓮音君さあ~もっと笑顔でいれないの?」 「この前、無理やり笑わせて怖いといったのは宙兄さんですよ。」 宙の急な無茶ぶりに少し冷たく返す蓮音。 「まあ、今回それで罰になるなら笑いますが」 「ヤメロ!何で仕事で疲れてんのにお前の怖い顔………罰?」 「ええ、あのメモについてです。」 蓮音は、多少失礼な天を無視して話し始めた。 「前から思っていたんですが、お二人の言葉遣いは世那の教育に悪いです。」 蓮音の言葉に宙もメモボードに目を向け、「うわー。死ねはないでしょ」と呟いた。 それに対して、天は噛みつくように「てめえだって帰ってくるなとか言ってんじゃねえか」と返した。 また、兄弟ゲンカが始まった。 しかし、その兄弟ゲンカも、蓮音の冷たい言葉によって仲裁された。 「お2人共同罪です。」『すいません』 バタバタバタバタッ 「てん兄、そら兄。おかえりなさい」 世那が風呂から上がったようだ。 「おう!世那学校は楽しかったか」と、天は笑って尋ねる。 「はいてん兄。かんじをべんきょうしました。ぼく、もっとたくさんのかんじをおぼえられられるようにがんばります。」 「おう!がんばれよ」 そういって天は世那の頭をなでた。
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