第一章 戦国時代へ

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洞窟の中を歩き、しばらくすると段ボールで作られた小屋を見付けた。 「あった。まだ残っていたんだ。」 小次郎は少し喜び、段ボールで作られた小屋の中に入る。 この小屋は昔、友達と作った秘密基地みたいなものだ。 一応、ここで寝ることもできる。 「やっぱり埃が溜まっているな。」 そう言い、くしゃみをする小次郎。 しばらく小屋の中をキョロキョロすると見覚えのない鏡があった。 「なんだこれ?」 小次郎は鏡を手に取り、見てみる。 「新品の鏡か?」 その瞬間である。 小次郎が鏡を見ると急に鏡が光だした。 「うっ…!?眩しい…!」 そしてしばらくすると鏡の光が消えた。 「何だったんだ?さっきのは…?取り敢えず家に持って帰って調べてみるか。」 小次郎は鏡をリュックサックの中に入れて帰ろうとする。 そして洞窟から出ると、洞窟の前に何人か人がいる。 何やら話をしているみたいだ。 今ここから出てきたら怪しまれそうなので小次郎は息を殺し、しばらく身を隠す。 「おい。尼子の残党は見付かったか?」 「さっきまで尼子の立原の部隊がこの辺に居たんだがな…。」 人は二人みたいだ。 その二人組が洞窟の方へ歩き出す。 「立原と山中を捕らえたら元就様から褒美が貰えるからな。もう少し調べるぞ。」 その時だ。二人組が小次郎の気配に気付く。 「…!そこの!何奴だ!」 小次郎は石見銀山の管理者だと思い、素直に謝りに行く。 「す、すいません!立ち入り禁止なのを知らずについ入っちゃいまして…。すぐ出ていくんで許してください。」 とっさに出てきた小次郎を見て、男は言う。 「お主、尼子の残党か?着ている服も妙じゃのう。」 そして男に連れられ、小次郎は洞窟の外に連れ出される。
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