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優が自ら部隊を率いてジジイの援護に回り、小次郎はただ見ているだけ。その中で、正勝は戦場の右側に陣取る浦上の部隊に攻撃を仕掛ける。
数では明らかに正勝の軍が少ないのだが、自軍に見返りがない浦上の軍はやる気がなく、簡単に総崩れとなる。
「この軍、強すぎる!」
「明石様の命令じゃあ!後退じゃあ!!」
正勝の部隊の迅速な攻撃により大慌ての浦上軍は、混乱状態で何も考えずに後退をする。
「おいおい、逃げてもらっちゃあ困るんだけどねぇ、もうちょい敵の兵力を削ぎたいんだけど。」
退いていく明石軍を追うためにどんどん敵陣の奥に行く正勝であるが、その時ふと「ヤバい」と感じた。
正勝は振り向くと浦上の部隊が後ろから少数現れ、横からも現れた。
「あー、やっちまったか。」
正勝は敵が逃げていくのを何も考えずに追っていた為に、周りが見えていなかった。その為、敵の偽りの撤退に騙されて、背後を取られた。
「正勝様、どうしましょう!?」
不安そうに聞いてくる正勝の部下だが、どこか正勝を信頼しているとも見えた。
「どうするってそりゃ後ろに戻るしかないでしょ。幸い後方からやって来ている敵さんは少数だ、少数だから勢いで突破するぞ!」
「了解しました!」
部下達は反転して元の場所に戻るため全力で走る。
正勝自身も馬に乗り先陣をきって行く。
「やれやれ、こりゃあ爺に説教されるかな」
冷や汗と不安そうな顔をして先陣を走る。
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