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部隊を反転して明石の軍と戦う体勢に入った正勝。
進軍しながらその様子を見た明石景親はその戦う姿勢に違和感を感じた。
(明らかに兵力で劣っているのに戦う姿勢を見せてきた。・・・それはなぜだ?中央で戦っている軍を巻き込んでしまうからか?それとも我に勝てると思っているからか?)
『明石景親』浦上の四神で最も知略に優れた武将と言われている通り、常に何かを熟考しており、勢いで戦う様な真似はしない典型的な知将である。また、相手の策の臭いを嗅ぐのが得意で敵の罠には殆ど嵌まらない。
そんな明石が、一番に頭に過ったのが尼子の最後方にいる部隊、秋上宗信の部隊である。
あの部隊が正勝の軍と交戦中に横から攻めてきたら一溜まりもないのである。
「やれやれ、我としたことがあの若武者に誘き出されたようだ。」
部下は「はっ?」と聞く。
「後方の秋上宗信の部隊、アレがこの戦場に現れたら一溜まりもないのだ。とは言え、あの若武者を無視するわけにもいかぬ。」
歯軋りをする明石。そして、そんな明石を見て本当に怒っていると察する部下。
「戦いを長引かすのは得策ではない!短期戦だ!一瞬であのガキを討ち取るぞ!」
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