佐世正勝対『浦上の四神』明石景親

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正勝は出陣して、部隊を率いて難なく明石の軍の前まで行く。 「さて、この数の槍隊を抜けて攻めるのは骨が折れそうだな。頼んだよ。」 そういって後方から来た正勝の槍隊が前に進む。 槍には槍である。しかも正勝の隊は普通の槍より長い長槍である。 そして正勝は弓を取りだして弓矢を射ち、長槍隊を援護する。 正勝の弓の腕は宗信ほどの巧さでは無いがそこそこ命中しており、敵兵も次々倒れて行く。 「若!敵の前線は数が多いですが何とか揺らぎが出来ております!この隙に騎馬に乗っている者で明石のところまで行けます!」 この敵の海の中、長槍隊のお陰で辛うじて道が出来たのだ。この中に入ったら間違いなく乱戦になるだろう、しかしそこは士気の高さで補うのだ。 乱戦で生きる術は士気を高く持つことと背を見せないことだ。 「よし、全軍で明石の場所まで駆け抜けるぞ!」 明石の場所は大体分かっている。戦況を見渡さなければならないから後方の方だ。それも見晴らしの良いところだ。 「みんな、明石は後方の方だ。恐らく立派な鎧武者だからすぐに分かるはず!」 全体にそれを伝え、全軍で明石景親を狙いに敵の海を渡ろうとする。
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