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男は小次郎を見て言う。
「なるほど、妙な格好のガキだ。持っている物も変わっている。草鞋も履いていない…。」
男は小次郎に言う。
「おい、貴様の格好に興味を持った。これから我らの総帥に会わせるから来い。」
そう言い、男は小次郎に縄をかけて強引に歩かせる。
しばらく歩き、小次郎はこの先で起こることに不安で胸が一杯な為、男に聞いてみた。
「あのー。俺、もしかして殺されちゃうんスかね?」
男は笑いながら言う。
「そりゃあ我らの総帥の判断次第よ。貴様を怪しい者として処断するのか、貴様が身に纏っている空気、まるで異世界から来たような、その空気に期待して部下に取り立てるか。全ては総帥次第よ。」
男は一旦、間をおいて言う。
「まぁ、ワシらの総帥は殺すような人間では無いから安心しろ。」
「ほ、本当に殺さないのか…?」
「ああ、少なくともワシは殺さないな。それにワシらは部下を増やしたいからな。」
男はそう言い、しばらく歩く。
そして歩くこと10分、男の陣らしきものを見付ける。
男は陣に入る前に、陣の外を見張っている部下に言う。
「立原久綱ただいま戻った。」
「立原様、毛利の兵に襲われたと聞きましたがお怪我は?」
部下はかしこまって聞く。
「ああ、何とか無事だ。少し頼みたいんだが、鹿之助と勝久様を呼んでくれんか?この男の処遇をどうするか決めたい。」
男はそう言って小次郎の方を見る。
「分かりました。すぐに呼んできます。」
部下はそう言い、走って行った。
そして、男は小次郎を陣の中に入れた。
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