第一章 戦国時代へ

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男は小次郎を見て言う。 「なるほど、妙な格好のガキだ。持っている物も変わっている。草鞋も履いていない…。」 男は小次郎に言う。 「おい、貴様の格好に興味を持った。これから我らの総帥に会わせるから来い。」 そう言い、男は小次郎に縄をかけて強引に歩かせる。 しばらく歩き、小次郎はこの先で起こることに不安で胸が一杯な為、男に聞いてみた。 「あのー。俺、もしかして殺されちゃうんスかね?」 男は笑いながら言う。 「そりゃあ我らの総帥の判断次第よ。貴様を怪しい者として処断するのか、貴様が身に纏っている空気、まるで異世界から来たような、その空気に期待して部下に取り立てるか。全ては総帥次第よ。」 男は一旦、間をおいて言う。 「まぁ、ワシらの総帥は殺すような人間では無いから安心しろ。」 「ほ、本当に殺さないのか…?」 「ああ、少なくともワシは殺さないな。それにワシらは部下を増やしたいからな。」 男はそう言い、しばらく歩く。 そして歩くこと10分、男の陣らしきものを見付ける。 男は陣に入る前に、陣の外を見張っている部下に言う。 「立原久綱ただいま戻った。」 「立原様、毛利の兵に襲われたと聞きましたがお怪我は?」 部下はかしこまって聞く。 「ああ、何とか無事だ。少し頼みたいんだが、鹿之助と勝久様を呼んでくれんか?この男の処遇をどうするか決めたい。」 男はそう言って小次郎の方を見る。 「分かりました。すぐに呼んできます。」 部下はそう言い、走って行った。 そして、男は小次郎を陣の中に入れた。
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