意地悪して、ごめんな

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 またローションを開けて、今度は後孔に塗り付けるために垂らした。手の平にもとって少し温めると、指でクルクルと撫でるように馴染ませてく。そしてツプッと、指先を押し入れた。  人差し指を根元まで簡単に飲み込むと、クイッと曲げた。すると、いつものしこりが指に触れる。グッと押し込めば、先ほどとは比べ物にならないくらいの快感が体中に走った。 「あっ! んんっ、ふっ……。イイ……」  わざと掻き回すように指を動かせば、先ほどより激しくグチュグチュという音が響いた。それを和也にも聞こえていると思うと、体の芯が熱くなってくる。 「今な、前立腺イジッってんの。すっげぇ気持ちいい」  尻を上に向けて、指を挿入しているさまをよく見えるようにした。一気に指を三本に増やし、腸壁を押し広げる。  また気を抜くと、自慰に耽ってしまいそうになる。まだイクわけにはいかないので、少しの余裕を残してしこりを押しつぶした。しかし段々と積み重なる快感が、もっともっとも急き立てる。 「あ、あぁっ、んっ! 気持ちいい、もうっ! もうっ!」  せり上がる射精感に、指が止まらなくなっていた。もう遊んでいる余裕などはなく、イクことしか考えられない。すべての指が、快感を得ることに従順に動いた。  ふと和也の存在を思い出すと、顔を上げた。するとカチリと、視線が合う。そしてしばし見つめ合うと、視線が絡み合うようなイメージが浮かんだ。その間も、手は止まらない。  直哉は意外と、サディストになり切れてはいないのかもしれない。和也の肌が恋しく、その熱が欲しくてたまらない。そして見つめられると、まるで自分が辱められているような感覚に陥った。
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