34人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし頭の片隅で、残り僅かな悪戯心が囁いた。いつもならケツマンだの平気で言う直哉だが、ちょっと恥ずかしがってみてはどうだろう。ようは和也のノリに付き合ってやるのだ。ここまで誰かに追い詰められたのは久しぶりで、だからこそ少し甘えてみたくもなる。
「直哉さん」
「んんっ、急に……、するなよ」
考え事を見透かされたのか、入るか入らないかのギリギリで入り口を指でなぞられる。そのジリジリとした刺激とも言えないそれですら、直哉は甘い吐息を漏らした。
「わ、わかってるくせに……」
「たまには、こういうのも悪くないでしょう?」
「和也のくせに!」
何度も心の内の留めていたその言葉を、とうとう口にする。和也は困ったように笑って、誤魔化すようにキスをした。しかし騙されないぞとばかりに、直哉はふくれっ面をする。しかしキスは受け入れて、しばしの間互いの舌を絡ませた。
「んっ……、はぁっ……、んんっ……」
「これで、機嫌直してもらえますか?」
「まだ足りないな」
和也の首に手を回し、グッと自分の方へと引き寄せる。そうして直哉からキスを仕掛けた。その間に、主導権を取り戻した直哉は自分のモノを扱く。
和也の口内の暖かさが気持ちいい。それを堪能するように隈なく舐め回し、一気に絶頂まで登り詰める。もはやいつ出てもおかしくない状況だった。
「かずや、イ、イクっ! イッちゃうっ!」
酸欠のような息苦しさと、下腹部が切なくなる感じがする。直哉の頭は、イキたいということしか考えられなかった。キスから開放してやれば、和也は直哉のモノにキスをする。そうして発射するときを待ち構えた。
最初のコメントを投稿しよう!