意地悪して、ごめんな

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 サドはマゾのして欲しいことしかしてはいけない。その言葉が、少し直哉に戸惑わせた。しかしそれでも、どうしても和也の怒った表情がみたかったのだ。  軽くお昼を食べて、1時間ほど休憩すると直哉たちは風呂に向かった。この日は珍しく、直哉が先にと言い出す。 「なんなら、一緒に入るか?」 「狭いじゃないですか」 「そうだよな」  たまには、という気まぐれを装って、直哉はシャワーを浴びに行った。そして和也と交代すると、寝室へと向かう。  エアコンのリモコンを握ると、寒くない温度に設定をした。そしていくつか道具を引っ張り出すと、すぐ取り出せる所にしまう。そして最後に、ベットと壁の間のスペースに、ダイニングの椅子を一脚持ってきた。  そうしていると、和也も風呂から上がったらしい。まだ水気を含んだ髪を拭きながら、真実の扉を開けた。すると、椅子があることに驚いて目を見開く。 「なんでここに椅子なんて?」 「ふふっ」   直哉はそれに答えず、和也を抱きしめた。和也もとりあえず抱きしめ返す。直哉は戸惑っている和也の唇にキスをすると、頭を押さえつけて深く舌を侵入させた。 「ん、んんっ……、はぁっ……」  このとき和也は、直感的に自分がイジメられる側だと察したのかもしれない。素直に受け入れ、力の抜けた体を預けている。 「かずや、こっち」  椅子に座らせると、また顔を近づける。ちゅっ、と軽く唇を触れ合わせると、その顔を両手で包んだ。 「キスするときは、目を閉じるもんだぜ」 「はい……」  目を瞑ったのを確認すると、また深い口づけを落とす。口内に侵入し、下を吸い上げる。縋るように掴まれた手を、直哉は拒否するように払った。  
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