第3章 視線

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夜に見た夢は長い間、私の中で糸を引いていた。 手を掴まれた感触と痣が残っていたのは勿論だったけれど… それから誰からか分からない視線を感じるようになった。 病院内で患者さんの対応をしていても ねっとりとした視線を感じることがある。 はっと振り向くと視線の気配は消えるだけに、私はとても怖かった。 何日もなんにちもその状態が続き、 とうとう耐えきれなくなった私は 紗和(さわ)先輩にお昼休みに相談した。 「あー…それは、お盆が近づいてるから帰ってきてるねぇ。。」と言われてしまった。
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