第3章 視線

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「お盆だから帰ってきている?」 「そうよお盆はちゃんと先祖の霊が帰ってきてるんよ」 「そうなんですか?」 幽霊や妖怪、そんなものは非科学的な眉唾物ではないか 「あんた、今 幽霊や妖怪みたいなんは、非科学的や思ったやろ」 先輩の言葉にドキっとする。 「なんで…それを」 「アンタの顔見とったら、顔に書いてあるわ。あかんでぇ、戦後間もないときからある病院勤めとってそんなこというの。色々幽霊事情もあるに決まっとるやんか。そんな気になるなら、 縞爺(しまじい)に聴いてみたらええわ!」 「縞爺って用務員の…?」 「せやで、縞爺はたまに宿直もしてくれとるやろ。アンタもそのうち、夜勤はいるんやから、ようよう聞いといたほうがええで」 と言われてしまった。 紗和(さわ)先輩は、結婚して日勤帯しか基本入らないからって… あぁもう!!と思ってしまった。 次の休憩時間に、縞爺に逢いにいこうと思った。
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