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ある日、お母さんとめぐちゃんのところに、お母さんの弟が訪ねてきました。お母さんと年が離れています。めぐちゃんは「とし兄ちゃん」と呼ぶほど懐いていました。とし兄ちゃんはたまに家にやってきて、めぐちゃんと一緒にお絵描きをしたり公園に連れて行ってくれたりするのでした。
今日はとし兄ちゃんがめぐちゃんに微笑みかけながら言うのでした。
「めぐちゃん、今日は兄ちゃんのうちに連れて行ってあげるね」
「ほんと? ママ、とし兄ちゃんのうちに行くの!」
めぐちゃんはママの方に手を伸ばしました。ママも一緒に来てくれると思って。
ママはめぐちゃんの手を優しく包んでくれましたが、次に「いってらっしゃい」と言いました。毎日保育園に行く時のように。
めぐちゃんはううんと首を振って、
「ママも来るでしょう?」
「――ママはおうちにいるから」
「どうして?」
ママはそっとめぐちゃんの頬を撫でてくれました。
「めぐちゃん、保育園でもいい子にしてるでしょう? 今日はとし兄ちゃんのところでいい子にしておいで」
「ママが一緒じゃなきゃいや!」
めぐちゃんは、今日は保育園がお休みだと分かっています。
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