めぐちゃんのお母さんは白になりました

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 めぐちゃんとお母さんは顔を見合わせてにこにこ笑顔を送り合いました。 「やっぱりピンク好きなんだね」  とし兄ちゃんもふふ、と笑いながら、いいなあと言っています。 「とし兄ちゃんもピンクがいいの?」 「俺はランドセルは黒だったよ」 「黒? なーんだ」 「なーんだ? 黒なんて考えられないか」 「うん、ピンクがいい!」 「そっかそっか。今は色々選べていいね。昔は赤と黒しかなかったからさあ」 「赤と黒?」 「そ。女の子は赤で、男の子は黒って大体決まってたの」  めぐちゃんは、どうして? と聞きました。お母さんにも聞きました。 「ママ、どうして赤と黒なの?」 「……自由じゃないよね、全く」 「じゆう、じゃない? 白じゃないもんね?」 「そうよ。赤と黒じゃあね」 「ランドセルって赤か黒しかないと思ってたから、今はたくさんあってびっくりだよ本当に。確か俺が6年生の時あたりからさ、水色とかピンクとかちらほら見るようになって」  とし兄ちゃんが黒いランドセルをいつか見せてあげるよ、と言ってくれました。 「あーそっか、としがそのくらいっていうともう高校生だったからなあ」  お母さんは懐かしむようにはにかんでいました。
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