王道な学園での恋愛事情。

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早めに仕事を終わらせ、会長と一緒に会長の部屋に戻った俺はすすめられるまま風呂に入り会長が夕飯の準備をするのを待っていた。 すっかりいつも通りの生活に満足してしまった俺は色々聞き忘れがある事に気づいたのは、満腹なお腹を抱えデザートのプリンはいつ食べようかと悩み始めた時だった。 転校生が購買に売っている1日限定10個のプリンを食べたがっていたことを思い出したからなのは会長に言わないでおこう。 「転校生は…この世界に未練はなかった?」 風呂からあがりスッキリした会長に聞けばプリンを持って来てソファに座る俺の前に腰を下ろした。 「そうだな…そういう事になるな。」 会長の手でプリンを食べさせられそうになり、慌てて会長からプリンを取り上げた。まったく、何考えてるんだ。 「あいつは所謂、愛人の子で親はもちろん祖父母からも親戚の誰からも関心を持たれてなかった…らしい。」 それで構ってほしくて問題起こして、余計厄介者にされて…たどり着いたのがこの学園であの世界だったのか。 「じゃあ、あの世界でなら幸せになれるかもしれないね。」 俺にも彼にもあそこの人は優しかった。話もきちんと聞いてくれた。王も約束してくれた。大丈夫だ。 「あと、会長はどうやってあっちに来たの?巻き込まれたわけじゃないならどうして…。」 何か方法があるのだろうか。それとも何かこの世界にはいたくない理由があったのだろうか。 話したくないのか、俺から食べ終わったプリンの入っていた容器とスプーンを取り上げるとそのまま台所に行ってしまった。逃がすかと着いていく俺を無視して容器とスプーンを洗い、そしてトイレに行き…トイレのドアの前で待つ俺にため息を吐くと俺の腕をつかみ寝室へと向かった。 布団に入れば寝ると思ったら大間違いだ。と布団の上に正座をした俺はじっと会長を見つめ話すのを待った。
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