王道な異世界にトリップ。

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そんな事を考えているうちに転校生はイケメンの腕に縋りつき「なぁ、俺腹減ったんだけどー」と甘えていた。昼飯食ったばかりだろ!と思ったけど、俺はどのくらい気を失っていたのだろう…? 転校生を自分の腕から離しながら「わかった。食事の準備をしよう。」と出て行ったイケメンはすぐに戻ってくると「食事の準備が出来るまで少し話をしようか。」と俺がまだ出ることが出来ていなかったベッドに腰を掛けた。 色々と今関係ない事を話す転校生の口を手で押さえるという物理的に黙らせたイケメンは何となく気づいてはいたけれど、違ったらいいなと願っていた事を頭を下げ謝った後に話し始めた。 「気付いたと思うけど、ここは言うならば異世界だ。呼び出したのは私達。何のためかと聞かれたら生活のためと答える。ここの世界は君たちのいる世界より少し遅れている。文明にしろ思想にしろ芸術にしろ全てが遅れている。そして一番の問題は私達にはそれを発達させるという思考がない。今のままでも生活できるのだから何もしなくてもいい。何故かそう考えるようにできている。それではいけない事を知っているのはごく一部でさらに理解できているのは王家…それも数人だけだ。」 「なのに遅れているのは少しだけなんですか?」 口を手で覆われている転校生は苦しいのかイケメンの腕を叩いているのに無視して話し続ける。
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