王道な異世界にトリップ。

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「その為に定期的に異世界から人を呼んでいる。その時によって違うが何かしら伝授してもらいこの世界も少しずつ成長してきた。何でも良い。些細なことで良い。この世界のために何か教えてはくれないだろうか。」 そう言って頭を下げたイケメンに俺は何も言う事が出来なかった。何でも良いと言われても俺はただの高校生だ。得意なものも趣味もなく、ただ毎日を消費していただけだ。俺には荷が重すぎる。ここにいるのが俺以外の生徒会役員であったなら教えられることがあるだろう。だけど、俺には無理だ。 どうやって断ろうか考えていると、扉がノックされ「お食事の準備が整いました。」と落ち着いた女性の声が聞こえた。 抑え込まれていたはずの転校生はその声に飛び上がると扉の方へと駆け出した。いつも思うけど、どこにそんな力があるのだろう。そんな事を考えながら予想以上にふかふかした毛足の長いカーペットの上をこけないように慎重に歩きながらイケメンのあとを追った。
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