王道な異世界での生活。

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王道な異世界での生活。

今日も朝から転校生は元気だった。 昨日の態度は夢だったのか?と疑いたくなるくらいいつも通りの元気な転校生で、朝からもりもりと肉を食べていた。俺は眠くてぼぅっとする頭で誰か食わせてくれよーと思うけれど、ここには会長がいないのだ。嬉々として俺の口に食べ物を運ぶ会長を想像するのは簡単だったけど、それはいけないと首を振り考えを振り払った。 「なぁなぁなぁ!」 やっと目の前にある食事に手を付け始めたころ、転校生はとっくに食べ終わり今にもどこかに駆け出していきそうなくらい身を乗り出し「今日何して遊ぶ?」と言い出しそうなくらいワクワクしたような表情を見せた。 「今日は何教えるか考えようぜ!」 コイツの前向きさは少し見習わなければいけないかもしれない。帰りたいとは思う。けど、帰り方を調べながらも出来ることはあるのかもしれない。このまま何もせず、帰ってしまいましたと言うのは恥ずかしい気もする。何してきた?と聞かれ何もしなかったと答えるのもたぶんきっと恥ずかしい…転校生はきっと何かして帰るのに。帰らないのかもしれないけど…。
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