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王道な異世界にトリップ。
耳元で叫ばれた声に目を覚ますと、ふかふかのベッドの上に寝かせられていた。叫び声が誰かなんて疑わずと転校生だった。
階段から落ち、保健室最悪でも病院にいると思ったけれど見回した限り違うらしい。それとも今はこんな豪華絢爛な病室があるのだろうか…何か汚したり壊したりしそうでベッドから降りる気にもならない。そんな事を考えてしまう自分は小心者なのだろうか、転校生は遠慮なく壁やらカーテンやらおいてある壷やらを触っている。おい、壷を叩くな!
ハラハラしつつも見守る事しか出来なかったけど、やめさせるため声をかけようとした時、重そうな木の扉が開いた。その時転校生は壁にかけられていた絵を指さして笑っていた。
「それは俺が描いたんだがなぁ…そんなにおかしいか?」
やたらと良い声で喋るその人はとてつもなくイケメンだった。まぁ転校生もイケメンだし、会長も副会長も会計もイケメンなんだけれど、種類が違うイケメンだ。会長は日曜の朝に戦っているヒーローみたいなイケメンで副会長は着物が似合いそうなイケメンで会計は歌って踊ってそうなイケメンだ。このたとえ方は姉に好評だったのであっていると思う。ちなみに転校生はカリスマ店員って言われそうなイケメンである。生徒会に比べると少し一般人ぽい。まぁ、俺は説明する必要もない一般人代表(ワンコ)なわけだけれど。
そして今入ってきたイケメンは…油田とか持ってそうなイケメンだ。ちょっと強そうで腹筋はきっと割れているに違いない。ちなみに会長の腹筋は綺麗に割れているのだけれど、くすぐったいのか触ろうとすると逃げられる。
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