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「……正直に言うとさ、あの日麻里が泣いてるって聞いてめんどくさいなって思いながら麻里の家に行ったんだ。だけどさ、俺が適当に話した話を『おもしろいね』って笑顔で麻里は聞いてくれた。……そんな麻里の事を見てたら……自分でも驚くくらい、嬉しい気持ちになったんだ」
「たぶん、その時の事がきっかけで、俺は今絵本を描く仕事をしているんじゃないかなって思うし、たぶんその時に……俺は、麻里の事を好きになったんだと思う」
「…………えっ?」
聞き間違い?
驚いて絵本に落としていた視線を上げると、陽太兄ちゃんはフッと目をそらしたけれど、その顔は真っ赤に染まっていた。
……私のこと、好き……なの?
……本当に?
ってか、待って待って。
私……あの時小学生になったばっかりだよね?
……って言うか、問題は(結構な問題のような気もするけど……)
そこじゃない!
「じゃあ、何で好きだって何回も何回も言ったのに、今までお兄ちゃんは全然相手にしてくれなかったの?!」
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