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「まず一つ目。あなたを見つけたのは、このお屋敷の旦那様なの」
「あ、あのような森に?」
「ふふ、無理に敬語はいいわよ? あ、少し頭下げてもらえる?」
メイドさんことメイミーさんの説明はこうだった。
あの雨が降る直前から、日課の走り込み(馬ではなく文字通りのランニングのようなの)をしていたお屋敷の旦那様。
ほんと、偶然、たーまたま、私が落ちたところを見かけて救助してくれたそうです。
旦那様は私を抱えて帰る事も出来たそうですが、一応森に来る途中まで馬で来たらしく。
つまり、私はお屋敷までお姫様抱っこ+千里・チャロナ人生初の馬での同乗を為されたと言うことです。
「急病人が運ばれてくることは珍しくないから、逗留については気にしなくていいわよ? 身分を問わず、旦那様はとてもお優しいから」
「そ、そうですか……」
こちらにはありがたいことばかりだが、よくあるのなら深くは追求しないでおこう。
「二つ目。身の回りの世話については、主に私を含めるハウスメイドがしてたから安心してね。はい、交換終わり」
「ありがとうございます」
傷については、大きな裂傷はないが表面の皮膚が少し切れただけのようだ。
ただ魔法医さんの診断では、血は結構流れてたらしく、痛むのも無理ないみたい。
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