1-2.恩人との出会い、食事

2/8

5227人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
 だから、離れたとは言え、まだ部屋にいるおっとこ前で美の象徴とも思えるほどの男性に、まさか触られるとは思わなかった。 「旦那様。まだ包帯は変えたばかりですが、傷口はほぼ塞がっていましたから、あとは経過をレクター先生に診ていただくところです」 「そうか」 「それにしても、いらっしゃるのであれば私などに申してくださいな? いくらお連れになられた方でも」 「たまたまだ。目覚めてなければ、すぐ戻るつもりだった」 「あらあら、本当でしょうか?」  メイミーさんの意味深な発言に、旦那様はふいっと顔を背ける。  これは、前世でたまに耳にした、俗に言うツンデレと言うのだろうか?  旦那様の目元もだが、耳もだんだんと赤くなっているから。実物を目の前にすると、確かに少し可愛いと思う。恩人に対して不謹慎でも。  だけど、忘れてはいけないことを思い出した。 「あ、あの…………ありがとう、ございました。助けていただいて」  さっきのアドバイスについても色々聞きたいが、まず何よりこの言葉を伝えよう。
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5227人が本棚に入れています
本棚に追加