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だから、離れたとは言え、まだ部屋にいるおっとこ前で美の象徴とも思えるほどの男性に、まさか触られるとは思わなかった。
「旦那様。まだ包帯は変えたばかりですが、傷口はほぼ塞がっていましたから、あとは経過をレクター先生に診ていただくところです」
「そうか」
「それにしても、いらっしゃるのであれば私などに申してくださいな? いくらお連れになられた方でも」
「たまたまだ。目覚めてなければ、すぐ戻るつもりだった」
「あらあら、本当でしょうか?」
メイミーさんの意味深な発言に、旦那様はふいっと顔を背ける。
これは、前世でたまに耳にした、俗に言うツンデレと言うのだろうか?
旦那様の目元もだが、耳もだんだんと赤くなっているから。実物を目の前にすると、確かに少し可愛いと思う。恩人に対して不謹慎でも。
だけど、忘れてはいけないことを思い出した。
「あ、あの…………ありがとう、ございました。助けていただいて」
さっきのアドバイスについても色々聞きたいが、まず何よりこの言葉を伝えよう。
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