0.優しい追放

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 どのメンバーも、結局はリーダーのマシュランも、皆泣きそうな顔をしていたのだ。  パーティーとしての連携、同行などを考慮すれば、二年もほぼ雑用係だった弱過ぎる錬金術師など役立たずに等しい。  それを、家政婦のように身の回りの世話がなんとか出来るから、居させてくれただけでもありがたかった。  でも、それも、時間が経てば考えは変わってくる。 (他の皆が強くなってるのに、私だけ全然じゃ意味がないもの)  錬成も、戦闘術も。  大して成長しないお荷物。  自覚はしてたから、いつ言われるかなとは片隅に思ってはいた。それが、昨日になっただけ。  なのに、メンバーの皆は悔やんでくれた。  せっかく吹っ切って旅立とうとしてたのに、彼らの前で笑顔になれたか自信がない。 「とりあえず次の街でギルド行ってー……適性検査し直さないと」  謝礼金だって、大した額じゃない。  でも、あるだけマシだ。  もっと雑な扱いをするパーティーなら、身包み剥いで追い出すとかも、風の噂で聞いた事があるくらいに。  あそこが、優しい人達で良かった。それだけが、救いなのだから。
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