5214人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
嬉しそうな声色と同様に、薄青の瞳はキラキラと輝いていて、私を見ると目尻を緩ませた。淡いクリーム色のまとめた髪が特徴的な、優しい印象がにじみ出てる綺麗な人だ。
拾ってくれた人かはわからないが、手当てなどはほとんどこの人がしてくれたはず。彼女の腕の中には、救急箱があったからだ。
「旦那様がお連れになってから寝込んで、もう三日目だったのよ。少し心配だったけれど、気がついて良かったわ」
「み、三日!?」
「ええ。大丈夫、まだ傷口も完全には治ってないからゆっくりしてっていいわよ」
前世じゃまずお目にかかれなかった本物のメイドさんは、私がベッドから降りないように手で制してからこっちに来た。
救急箱をサイドテーブルに一度置いてから、ためらいもなく私のおでこに綺麗な手を当てて、うんと頷く。
「少し前に氷嚢は抜いておいたけど、それで良かったようね」
「あ、ありがとうございます……」
「傷は痛むでしょうけど、詳しく聞きたい事も全部包帯の交換中に教えてあげるわ。私は、ハウスメイド長のメイミーよ」
「チャ、チャロナです!」
教えてくれるのなら、ここは素直に好意に甘えよう。
あと、包帯を変える前に、気づかなかった備え付けの簡易キッチンからお水を汲んでくれたので、ゆっくりと飲んだ。
浄化作用が効いたすっごく美味しいミネラルウォーターでした。
最初のコメントを投稿しよう!