5208人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
1-1.目が覚めたのは、お屋敷
*・*・*
涙を流し続け、そのまま疲れて寝てしまってたようだけれど。
次に意識がはっきりした時、私はスコールの中で倒れていたはずなのに、何故か室内にいた。
(…………生きて、る……?)
目が覚めてすぐに見えたのは、綺麗な天井板。
しかも、どこかの宿屋じゃなくてお屋敷のようなところ。
その根拠は、誰かに着替えさせられたらしいネグリジェのような服とか。ゆっくり起き上がった時に気づいた柔らか過ぎる羽毛布団も。
目に入ったすべてのインテリアならぬ調度品が、華美ではあっても品の良い品々ばかり。
まず間違いなく、資産家か貴族の屋敷に連れて来られたのだ。多分、お情けで。
「……ど、どこだろ?」
あのパーティーの誰かが見つけたにしたって、こんな高級宿以上の部屋で看病してくれたとは思えない。
一番裕福な家庭だったらしいリーダーでも、ちょっとした商家のお坊っちゃんくらいと聞いていた。
最初のコメントを投稿しよう!