3.

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聖は、セックスがどんなものかは朧気にしか知らない。 友達同士で遊ぶことが少なかった彼は、そういう知識を仕入れる機会があまりなかったのだ。 男癖の悪い母親は、それでも聖にちゃんと気を使って、家に男を連れ込むことはほとんどなかった。 当然、男同士のそれはもっとわからない。 でも、ぶつぶつ呟くそいつの言葉で、なんとなく何をされようとしているのか、わかってしまう。 そんなの、殴られて殺されるほうがマシだ。 嫌だ、嫌だ、誰か……タツ、助けて! 脳裏に浮かんだのは、一番の友達の顔。 でも、心の中の悲鳴は、もちろん誰にも届かない。 聖は必死にもがいた。 だけど、背中は足場の悪い小物が散乱している床だし、上からのし掛かってくる男は酔っているくせに、いやそうだからか、やたらに馬鹿力だ。 抵抗する頬を、頭がクラクラするほど力一杯張り飛ばされて、制服のシャツを引きちぎるようにはだけられる。 「はん、肌スベスベじゃねえか。男っつうか、発育不良の女の子みてえだな…ロリコンちっくでめちゃくちゃコーフンする」 涎でも垂らしそうな顔で、そいつがギラついた視線を聖の肌に這わせた。 「ババアの南美より全然いい」 ベロリと胸元を舐められて、聖は恐怖と恥辱が頂点に達した。 気持ち悪い、と思うまもなく、込み上げてくる何かを堪えることができなかった。 ぐうっと喉が鳴る。 「汚ねえな、何吐いてんだよ!」 気づいたら、髪を鷲掴みにされ、頭を何度も床に打ち付けられていた。 「くっそ、ゲロかかったじゃねえか」
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