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助かった、これで少なくとも犯されることはない。
そう、ホッとしたのは一瞬だった。
「初めてだろうから優しく抱いてやろうと思ったけど、やめだ」
獰猛な顔になった男が、聖のベルトを乱暴に抜き取り、一気にズボンをずり下げたのだ。
頭を何度も打ち付けられたせいで、意識が朦朧とする聖は、もう抵抗する力が入らない。
されるがまま俯せにされて、腰を高く上げさせられる。
チッと荒々しい舌打ちの音がして、男が苛立たしそうに何やらぶつくさ言っている。
「さすがにこんなギッチリ締まってたら、強引に突っ込むのも無理か」
めんどくせえな。
めんどくさいなら、もう止めて欲しい。
聖はぼんやりと他人事のようにそう思う。
ぼやける視界の端に、龍大が持ってきたゲーム機のコントローラーが放り出されているのが映る。
あのゲーム、あいつの勝ち逃げで終わってる…ずりぃよ、タツ。
俺、このままここで犯されて殺されんのかな。
なんでタツが俺のこと避けてたのかぐれぇ、知っておきたかったな。
なんか傷つけるようなことしちゃってなければいいんだけど。
もしそうだったんなら、ごめんな。
聖は、そこで意識を失ってしまった。
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