2.

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それからというもの、龍大はほとんど毎日のように聖のアパートに入り浸っていた。 聖も、そんなふうに学校が終わった後友達と遊ぶということがこれまでほとんどなかったので、別にそれを鬱陶しく思うでもなく受け入れていて。 一緒に過ごす時間が長くなればなるほど、龍大は自分の中に何か得体の知れないソワソワとした気持ちが芽生えてくるのを、なるべく気づかないフリをしていた。 聖は基本的にクールだけれども、時折見せる笑顔が凄く可愛かったりして、そういう顔を見てしまうと、龍大の中のソワソワが最大限にざわめいた。 それは一体何なのか。 答えはわかるようでいて、わかりたくない。 それは、間違いなく恋なのだ、と認めざるを得なくなったのは、龍大の後継者教育の一環の、例の女性と寝て性技を学ぶとやらの最中のことだった。 その日、龍大は少しもそういう気分になれず、教師役のベテラン風俗嬢をやや困らせていたのだが。 聖も女とこーゆーことしてえとかあんのかな…とふと思ってしまったのが始まりだった。 そーいえば、あいつんちにはエロい本とかはなかったけど。 あいつも自慰とかすんのかな。 どんな女が好きなんだろ。 あんな可愛い顔して、ほっそい身体で、女なんか抱けんのかな。 抱き締めたら折れちゃいそうな細い腰。 でも、その股間には龍大と同じモノがついてるはずなのだ。 どんなのつけてんだ、あいつ。 やっぱちっちゃくて可愛いのかな。 触ったらどんな顔すんのかな。 そんなことを考えていたら、身体がようやく反応し始めたのだ。 そして。 あろうことか、達する瞬間、龍大は脳裏に聖の顔を思い浮かべていた。 想像の中で聖は、その頬をほんのり上気させて、うっとりと「気持ちいい、タツ」なんて囁いてくれて。 あの聖が、そんなこと言うはずもないのに。 龍大は、物凄い自己嫌悪に陥った。 俺も兄貴と同じ、ホモだったんか。
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