0人が本棚に入れています
本棚に追加
朝からテーブルの上にはお弁当の材料がたくさん並んでいます。お母さんがお弁当を籠のバックに積めていきます。暖かい日差しと気持ちいい風、森を抜けもう少し猫岩の方に歩いていくと桜並木があります。その芝生の上に桜の枝で日陰になっているところにシートを広げました。 僕らはわいわい言いながら少し早めだけどお弁当を広げました。姉ちゃんは私も作ったのよと自慢げに僕らに話します。一瞬みんなしゃべらなくなり、食べるのに夢中になります。しばらくしてお母さんが笑いながら、今日はみんなよく食べたわねと、言いました。食べたあとは準備に忙しかったお母さんは少し昼寝するわと言って横になりました。 姉ちゃんもお母さんと一緒に横になりました。僕は兄ちゃんと少し遠くまで桜の木まで行きました。そrから、僕よりたくさんお弁当を食べた兄ちゃんの昼寝に戻りました。僕は久しぶりに遠くまで来られたので、もう少し先の小さな湖の中の猫岩を見
に行きました。そのとき、猫岩に行くまでの石畳の上に雨も降っていないのに傘を差した猫さんを見つけました。
「猫さん、雨も降っていないのにどうして傘を指しているの?」
僕はピンクとブルーの大きい水玉のついた傘を見ながら猫さんに言いました。
「坊や、これはね普通の傘じゃないんだよ。おいらは少し変わった郵便屋さ。この傘の水玉は不思議な魔法のような構造で坊やでも入れるんだよ」
郵便屋さんは傘を地上に下ろした、下ろしたとたん傘の水玉模様はちびが潜れるくらいになりました。
「入ってみるかい?」
ちびは怖さと興味半々で水玉の部屋に入っていった。
「実はこの傘は色んなものを送り届ける傘で、今は鉄道が普及したのでほとんど使われなくなったけど、大昔からあるんだ、風によって運ばれるんだ。子猫ちゃんを運んでたんだけど窓を開けたんで落ちてしまったんだ、それで探してるんだ」
「それはたいへんだね、僕も探すの手伝おうかねえ、郵便屋さん。空高く飛んで上から探したら」
「そうだね、歩いて探すよりいいか、じゃあ窓を閉めるよ」
傘はふんわり上昇した。
「坊や、よく見ておいておくれ」
最初のコメントを投稿しよう!