14-贈物

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一度引き出しの中に戻して、跳ね上がった鼓動を落ち着かせる。 これからあげるもの? ‘‘宝子(たかこ)”から貰って帰ってきたもの?? タイミング的には、後者だろうか。 大きさは、私のこぶしよりも一回り大きいサイズ。 貴金属類の箱にしては、少し大きめな気がするけれど…。 中味がどうしても気になって、また箱を取り出し止めてあるシールが取れないか試すと、セロハンテープの上に銀色のファッションシールが貼ってあったため、上のシールはきれいに剥がすことができた。 セロハンテープは、うまく取れなくても、新しい自宅のものを貼って、その上にシールを貼れば外から分からないので、思い切って剥がす。 そおっ~と、へんなしわが付かないように包み紙をはずすと、中にはスノードームが入っていた。 丸いガラスの中に、可愛いクリスマスツリーとトナカイ、ソリ。 ガラスを下に向け戻すと、雪が降ってくる。 クリスマスプレゼントだろうが、どちらからのプレゼントなのか、これでは全く判断がつかない...。 値段的には2千円もいかないくらいだろうか? とりあえず、何かしらのプレゼントだとは思っていたから、夫が贈る貴金属などのプレゼントじゃあなくて良かったと先ずホッとする。 指輪やネックレス、ピアス…どれも常に身に着けていられるものだし、女性にとっては貴金属はやはり嬉しいものだろう。 そして自分より、高価な物だったりしたら、相手の方に気持ちもいってしまっている気がしてすごく嫌だから。 夫は、誕生日やクリスマスのプレゼントを結婚してからも変わらず贈ってくれる。 節目じゃあない時には、すごく高価なものではないけれど、それでも1万~5万くらいの貴金属やバック、財布など。 家には思い出の品が沢山あるの。
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