3-真実

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夫が起きやしないか、どんなメールをしているのか、緊張しながら未読の数字が出ているLINEを開いた。 LINEのトークには4つしかアイコンがでていないが、そのうちの1つは私。 未読のLINEは、最後は絵文字のようで、内容は何を送ってきたのか見れない…。 名前は“takako.s”とある。 明らかに女だ。 いやこれだけじゃない、どれも女の名前だった。 胸の鼓動が早く、はやる気持ちを抑えながら、他の2つの既読のアイコンを開けてみる。 1つめは “mao” 3日前のやり取りのもので、内容は全くもって想像を絶していた。 夫からのLINEは、『エッチな写真送って~』から始まっていたのだ。 人はこんなに震えるのか…と言うぐらい手の震えが止まらない。 “mao”という女が、家に来た女なのか。 “mao”は『やだ~』と言いながら、『どんな写真がいいの?』と続けている。 夫は、『おっぱい見せて~』と… 顔は写ってない、“mao”のおっぱいが露わな、そしてミニミニのスカートからのぞくパンツまでオマケの写真が添付されている。 夫が喜ぶ絵文字を送り、『早く触りたい』 何……。 “mao”から、『これでいい夢見れるね!おやすみ~』で終わっていた。 私は、もう夫が起きるかどうかなんて忘れて、次のアイコンを開ける。 “なぎさ” 『おはよー』『雨でやだねー』とか、『仕事お疲れ様!』などの友達??のような普通のメールが、やり取りされていた。 でも、この歳で異性の友達同士で、おはよーなんて送り合うのか? これ以上詳しくは、このLINEではわからない。 動揺と“mao”の裸が脳裏にこびりついて、その後のことも考えず未読の“ takako.s”を開けた。 未読の内容は、『秋になったら京都に旅行行こ~!』 『今、天から行きなさいって、落ちてきたの!』 ウインクの絵文字。
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