14-贈物

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「あけていい?」 「ダメー、本当は最後降りるときに渡そうと思ってたけど、せっかくいい場所だから」 「なんで降りる時に渡そうとしてたの?開けられないように??」 「舞華が、少しでも俺のことを考える時間が伸びるようにだよ」 「どーいうこと?」 「毎日メッセージしても、返信ない時もあるしさ。 きっと、帰ったら俺のことなんてすっかり忘れてるんだと思うんだよね。だから、プレゼントを持ち帰ったら、開けるまでは気になってくれてるでしょ?」 コレはカイがいつも言ってることなのか、よくわからないけれど、気になる相手にこんな風に思って貰えて嬉しいと思わない人はいるのかな…。 「メッセージは、ごめんね。毎日どうせ色んな人に送ってるんだと思ってたから、スルーしちゃってたりしてたかも…。お土産?プレゼント?は、食べ物じゃないなら、見るたびに思い出すよ」 「だから、開けていい?」 「俺いつ渡そうか、結構考えてたんだけど確かにそうか…いやいや、舞華なら見て終わり。しまっちゃうと思うから、ダメ」 「そっかぁーじゃあ、帰ったら開けさせてもらうね」 そんなに大層なものでも無いだろうに、おかしいのって思うけど、ミッキーのキーホルダーとかできゃあ~嬉しい~って喜ぶ年齢でもないから、ここは帰ってからのがむしろ良いかも…。 渡すタイミングも、カイが考えてくれたんだからね。 帰りの車の中は、あっという間だった。 「罰ゲーム決めたよ」 カイは、信号で止まると私にキスをする。 またエロいのかなぁ…?なんて思ってたけど、カイの口からでたのは、すごく簡単だけど、難しい一言だった。
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