14-贈物

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どんな罰ゲームなのか…。 決めた!って言ってからのカイの間が長く感じる…。 「…俺のこと好きって言って」 「…ひえっっ!?」 拍子抜した声が出てしまう。 予想していたものと、全然違ってたから。 「それ罰ゲーム?」 「俺はいつも言ってるけど、信じてもらえないし、舞華から言ってもらったこと無い」 いつになく真剣な表情のカイに、いつものふざけた調子で答えることができない…。 カイの事も嫌いじゃないし、好きだけど、私にとってそんな風に改めて好きって言えるのは夫だけ。 カイは、好きを簡単に言えるんだろうけれど、夫しか見てこなかった私には、それを簡単に言葉に出すことができなかった。 すぐに、軽く好きだよって答えてたら、気まずくなんてならないのに、変な所でバカ真面目な素の私がこんな所で出てきてしまう。 カイが、繋ぐ手をぎゅっと強く握った。 罰ゲームだからじゃなく、舞華はカイが好きだよ。 そう思う。 今日も、カイのお陰でいっぱい笑った。 「…カイ、カイのこと好きだよ」 ほんの数分、しかし狭い空間で息をのむような長い数分間だった…。 幾らかの好意がなければ、体を重ねることは厳しいけれど、セックスを楽しむ男女の関係に、好きは必要なのか? カイは、本当に私が好きなの? 奥さんは? SNSのnaoさんは?? 「やったぁー」 カイが喜んでいる。 罰ゲームで告白したのにね。 その後は、行きよりも、2人の間が近づいたそんな空気が流れてる。 そんな気がした。
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